テクノロジーによる課題解決で「これができない」を一つでも多く解消する【Leader's ミライリアル 武智さんの場合】
お疲れ様です!Super Stories編集部の大崎です。
Supershipグループでは、Group Purpose「ミライリアルの幸せを、デジタルの力で創る」の浸透に向けた取り組みを進めています。その一環で現在、グループの全従業員を対象としたワークショップ "CAMP” を順次実施しています。 "CAMP” ではメンバー一人ひとりの「ミライリアル」を言語化していますが、この連載「Leader’s ミライリアル ◯◯の場合」では、グループのマネジメント陣が掲げる「私のミライリアル」とその背景にある「価値観、好きなこと、得意なこと」をお届けします。
今回は、DATUM STUDIO 代表取締役社長 武智 壮平の「Leader’s ミライリアル」です。
Supershipグループを牽引するマネジメント陣が考える、各社・各事業の“未来予想図”である「私のミライリアル」にぜひ触れてもらい、日々の業務(=旅路)を進めるヒントとしてご覧ください。
【 カルチャー浸透施策のひとつ、「カルチャーブック」については以下の記事で制作意図などを語っています。ぜひこちらも合わせてお読みください 】
武智さんの「私のミライリアル」
―武智さんの「私のミライリアル」にはどのような思いが込められていますか。
「例えば…10年以上前、深夜にタクシーに乗った際、自分が住んでいたエリアにもかかわらず知らなかった抜け道を運転手さんが知っていて、予定よりもかなり早く目的地に着くことができたんです。でもタクシーの運賃体系に当てはめると、時間も距離も短くなる訳ですから、その運転手さんに入るフィーは安くなってしまうんですよね。運転手さんのバリューと課金体系がマッチしていないのはおかしいと感じていて、そこをUberのように需要に応じてダイナミックプライシングにしたり、ユーザー側にレーティングしてもらうことでドライバーが稼ぎやすくする仕組みをつくる方が、社会的に公平なモデルだと思いました。
この他にも、昨今導入が進んでいる、会計レジをお客さま側にやってもらうことによるレジ打ち作業員の省力化などが挙げられますが、『これおかしくない?』『これが出来ないんだよね』を解消しより良い未来を作っていきたいという思いを込めて、このミライリアルとしています」
価値観・好きなこと・得意なことについて
―続いて、その背景にあるご自身の価値観や好きなこと、得意なことについてお聞きします。ご自身の価値観は「達成」「変化」「成長」の3つを選ばれましたね。
「さまざまなお客さまの課題を解決する我々のような変化の多い業界に身を置くことは、成長にもつながるし日々楽しさを感じています。私たちは一定のタイムライン内でしっかりアウトプットを出さなければならないので、プレッシャーもありますがその分面白いですね。そういった“限られた期限までに達成しなければならない”という価値観は、単位時間あたりの自己の生産性を意識する上で、とても重要視しています」
―好きなことは「当たり前の追求」「美学の追求」「不便さの解消」を挙げられています。3つ目の「不便さの解消」は「私のミライリアル」で語られたこととほぼ同じかと思いますが、残りの2つについてはいかがでしょうか。
「『当たり前の追求』については、当たり前のことを高いレベルでやりきることは簡単そうで全ての人が達成するのは難しいので、自己を省みる上でも重要と考えています。特に我々のようなスタートアップだと目新しいものに飛びつきがちですが(もちろんそれはそれで大事にしていきたいですが)、過去の偉人が発明した理論や方法論、理念は現代版に少しアレンジされたり、しているもののそこまで大きく変わっていないものが多いので、しっかりと原点回帰し着実に進んでいきたいと考えています。
『美学の追求』は、資料中で相手に伝わるためには、どのような資料構成がいいのだろうとか、ソースコードは横着せずに変数名にきちんとした名前を書くとか、ちょっとしたことでもいいのですが、『これくらいでいいだろう』で済ませずに追求していくのが重要だと日々感じています」
―そして得意なことは「当たり前のことを人より早くこなす」「事実と誠実に向き合う」「最後までやりきれること」を挙げていただきました。
「全体的に『好きなこと』と重複している感じもありますが、時間はどんな人にも平等に与えられた制約条件なので、いかに日頃の作業を効率化し、新しいことを考えたりする時間に充当できるかは重要だと考えています。日頃のちょっとしたタスクにおいても自動化したり効率化したりするのは得意ですし、出来たときは“しめしめ”と思います。また、そもそもしっかりと事実を調査し分析することが、我々の生業であるので、まず事実そのものと誠実に向き合うことが重要だと考えています。そして『最後までやりきれること』については2023年のグループ年始朝会でも話しましたが、最後まで実行“しきる”ことが大切と考えています」
価値観が育まれた人生のターニングポイントは
―続いて、武智さんの人生の“幸福度の増減”を折れ線グラフにした「ライフチャート」に沿って、ご自身の価値観や好きなこと・得意なことが育まれるきっかけとなったエピソードを伺いますが、その前にこのグラフそのものについて質問したいと思います。
これまでインタビューした皆さんは全員、幸福度の増減によってグラフの上がり下がりがあったのですが、武智さんの場合は横一線で真っ直ぐとなっています。これは結果的にこうなったのでしょうか、それとも意識的なものでしょうか?
「両方あると思います。仕事という面で幸福度を私自身あまり意識してこなかったので難しいのですが、“幸福か”というよりも、責任感・義務感を意識することはあるかなと思います。キャリアのステージは人それぞれあると思いますが、振り返ってみると、ラッキーだった、楽しかったかなと思いますし、各ステージによって面白さの種類が違って大小を測れるものではないので、一旦横一線としています」
―ではエピソードについて伺っていきたいと思います。大学院では「理論物理学」を研究されていたとのことですね。
「研究自体は楽しかったのですが、将来それで食べていけるビジョンもありませんでした。大学院には、“教科書も何も見ずに、ホワイトボード何面にも渡り計算式を書いて、それを全部スラスラと説明できる”ようなとても頭の良い先輩がいたりして、自分はこの先輩には勝てないなと思い、進路は別分野の研究開発かなと考えて就活をしていました。
とある総合研究所を受けて、最終面接の時『もう入社の意思確認だけだから』と言われたのですが、まさかの不合格となりまして(笑)。ただ、並行してコンサルティング業界も受けていて、大手のファームから内定をいただいたのでそこに入社したという感じです。たまたま面接官とも意気投合して、という感じなので誰かの参考になるような就活ではないです(笑)。入社後は仕事も忙しく覚えることも多く大変でしたが、上司や同僚にも恵まれ成長できたと思います」
―そのコンサルティングファームに入社した当初は、IT系のインフラチームで基幹システムの導入プロジェクトに携わっていたそうですが、やりたかった仕事と乖離があったのではないでしょうか?
「その会社がそこまでIT寄りだとは知らなかったんですよね。もうちょっと、お客さまと話して、業務プロセスを改善したり、資料を作ってプレゼンして…という仕事を思い描いていたんですが、そういうこともなくひたすら画面を見てインフラエンジニアとしてデータのバックアップや環境構築をしていました。入社1、2年目はほぼその仕事で、入社当初に思い描いていた仕事とはかけ離れていました。
しかし、今になって振り返るととても良い経験で、かつそういった経験ができたのは幸運でした。やっぱりITは教科書などを見てわかるものではなく、自分で触ってみて“こういうところが苦労するよね”というのを実感できないと、なかなか成長できないと思います。なので、DATUM STUDIOでも、新卒でコンサルティングチームで採用されたとしても、まずはエンジニアやサイエンティストと同様にガリガリと手を動かしてもらうことを基本スタンスとしています」
―その後別のコンサルティングファームに転職されますが、社内カルチャーがあまり合わないと感じ、ベンチャー企業で働いてみたいという考えから、DATUM STUDIOに入社されました。グラフにも「ベンチャーの勢い」と書かれていますが、そういった面での戸惑いなどはありませんでしたか?
「ベンチャーってこんなに何も整ってないんだ…と正直思いました(笑)。でも自分である程度何でもできる環境は面白いと感じました。それまでコンサルティングファームでは自分が携わるプロジェクト単体の収益性や決められたKPIを見ることはありましたが、自分の会社全体の販管費やPL(損益計算書)・BS(賃借対照表)を逐次確認することは全然意識していませんでしたし、そもそも見ることができる環境ではありませんでした。なのでそれを見て、より経営に近い立場で仕事ができるのは面白いと感じました」
―そうした中で、昨年(2022年)にはDATUM STUDIOの代表に就任されました。グラフにも「自分個人というより、責任感や大局観をより痛感」とありますが、代表就任前と後で、意識や考え方の面で変化したことはありますか?
「やること自体はこれまでとそこまで変わっていませんが、真嘉比さん(DATUM STUDIO 取締役副社長 兼 ちゅらデータ 代表取締役社長)や菱沼さん(DATUM STUDIO 執行役員 兼 ちゅらデータ CTO)のような“看板”的なキャラクターになることが必要かなと思っています。
自分自身ではそこまでのカリスマ性があるとは思っていませんし、表に出ることもあまり好きではないのですが、そういったこともちゃんとやらなければと思います」
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