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経験しないのは勿体無い!?新規事業開発で学べる事業のイロハ【スタートアップスタジオ通信 #03】

お疲れ様です!Supershipホールディングス スタートアップスタジオの大澤です。

Supershipグループにおける「新規事業の同時多発的な立ち上げ・運営」を行うために設立された組織「Supership Group Startup Studio」(略称:SSGSS)の活動を報告していく「スタートアップスタジオ通信」。

これまで、SSGSSのミッションや「ミライリアルCHALLENGE TRYOUT 2022」ピッチ大会の模様などをお伝えしてきましたが、第3回は「新規事業開発とはどのような仕事か」「そこから得られるものは何か」をテーマに、新規事業に関わる意義を皆さんに理解していただくべく、コラムをお届けします。

新規事業開発はエキサイティングだが、ハードな面も

皆さんは新規事業開発にどのようなイメージを持っていますか?

アイデアを考え、それを実現するために必要なリソースを集め、新しいビジネスを立ち上げるという、エキサイティングで創造的なプロセスから、「成功者が語っている華々しい仕事」「なんかかっこいい仕事」「色々な経験を積んでから任せられる仕事」そんなイメージを持たれている方も多いのではないでしょうか。

ご想像どおり、新規事業開発は魅力的でエキサイティングな仕事です!
ただ、その一方で、成功するためには乗り越えるべき課題が多く、そのプロセスは「非常に泥臭く、ハード」で「失敗前提で無数のやり直しが発生する」仕事であるのが実態です。早い話、頭だけでなく体力も必要となる仕事です。

しかし、「事業をゼロから考える」新規事業開発の仕事を経験することで、ビジネスに対する理解度・解像度が上がり、既存事業の遂行やさまざまな提案をする際に役立てることができます。

新規事業開発って何をするの?

新規事業開発の経験から得られるものをお話しする前に、そもそも具体的にどんな仕事をするのか?という疑問があると思うので、ここではSSGSSが取り組んでいる新規事業開発のプロセスや仕事内容についてご紹介します。

前提として、新規事業開発にはいくつかのアプローチがあります。
課題解決型やマーケットイン型、プロダクトアウト型、オープンイノベーション型、デザイン思考などの様々な手法があり、これらを組み合わせたり、独自のアプローチを開発することで、より効果的な新規事業開発が可能になります。

Supershipグループでは「課題解決/マーケットイン型」の事業開発を行っているため、ここからの説明もそれに則ったものになります。

新規事業開発には3つのフェーズが存在する

新規事業開発には、大きく分けると「企画」「検証」「実装」の3つのフェーズが存在します。

①企画

新規事業開発は文字どおり「新しい事業を立ち上げる仕事」なので、まずはどのような事業をつくるかを考える「企画フェーズ」から始まります。

具体的に言うと、

顧客(誰の/どの程度の市場規模があるのか)
課題(課題内容/課題に対しての熱量)
ソリューション(課題の解決方法)
バリュープロポジション(他社に勝つ理由・独自価値)
ノックアウトファクター(法的・慣習的にアウトでないか)

以上の5点を考えることが、新規事業開発における企画です。

この段階で企画として出しているものは全て「仮説」です。
その「仮説」が「事実」であるかは、この後の検証フェーズで確かめることなので、この段階では最低限の調査で根拠を揃えることと、ロジックが通っていることが重要です。

また、中でも重要なのが「顧客」と「課題」です。

他の要素は後の段階でも改善・修正が可能ですが、蓋を開けてみて「そんなお客さんはいませんでした」「そんな困り事はありませんでした」となると、プロダクト機能や営業やマーケティングにおける訴求内容をいくら改善しても意味がありません。
泥臭くお客さまがいる現場に赴き、顧客と課題の理解度を上げることがポイントです!

各論点の根拠とロジックを整理できたら、次の「検証」フェーズに入ります。

(企画フォーマットや考え方セミナーについては、今後発信していきますのでお楽しみに!)

②検証

考えた仮説=企画の妥当性の検証には、3つのステップがあります。

1)顧客/課題仮説の検証
まずは「想定した顧客が本当に存在するのか」「その顧客は仮説の課題を、想定した熱量で感じているか」を検証します。
ここが間違っていると、そもそも事業やサービスの提供先となる相手が存在しないため、振り出しに戻ることになります。
※実はほとんどの事業仮説が、この段階でつまずいてしまいます。

知人・友人やビジネスパートナーからの紹介、ビザスク、テレアポ、DM、飛び込みなど手法はなんでも良いので、設定した条件に当てはまる人や企業の方にお会いして話を聞きます。

その際に重要なことは相手から「意見」を引き出そうとしないこと。
お話をうかがう相手からしてみれば、いきなり「この事業どう思います?」と聞かれても、その良し悪しを正しく判断することは難しいです。そもそも、世の中の課題を解決できていないから、その事業が必要とされるのです。

たとえば私たちが病院で診察を受けた時、医者から「この薬いいと思う?」と聞かれても、薬のことに精通していない人にとっては回答に困りますよね。それと同じことなのです。

その事業が実際にお客さまの役に立つものなのか担保するのは、お金(対価)をいただく事業者側です。
お客さまの候補となる方へのヒアリングは、自分たちの仮説が正しいか判断するために必要な材料=事実(ファクト)を揃えることを目的に行います。

よって、

「この課題は、実際に起きて(感じて)いますか?」
「その課題解決のために今、取り組まれていることはありますか?」
「課題解決のためにかかっている時間・コストはどれくらいですか?」

を聞いてください。
(※医者が「どこが痛い?」「症状はいつから?」と聞くのと同じです)

その上で、想定した顧客が「こちらが仮説として設定した課題を、想定していたような熱量(かかっているコストから判断)で持っている」と検証できたら、次のステップです。

2)ソリューション(プロダクト)のコンセプトを検証
続いて、顧客に「想定したソリューション(プロダクト)」が受け入れられるかどうかを検証します。

営業資料でテストセールスを実施したり、Web広告でテストマーケティングしたり、前ステップで説明したとおり顧客に意見を聞いたりするなど、このフェーズにおいてもとにかく泥臭くお客さまに会いに行き、いただいた反応に耳を傾けます。

自分が自信を持って進めてきたソリューションやプロダクトの評判が全く良くない…なんてことも珍しくないのですが、真摯に受け止めることでコンセプトや機能がブラッシュアップされます。

3)「顧客がお金を払って使ってくれるか」の検証
顧客・課題・ソリューション(プロダクト)が全て検証できたら、最後は実際にプロダクトを開発、顧客(候補)に使っていただき、「実際に理論どおりの価値を提供できるか」「有料でも使いたいと言ってもらえるか」を検証します。

MVP(Minimum Viable Product)と呼ばれる、「必要最低限の機能」のプロダクトを準備し、顧客となる候補者に使っていただきます。
どのくらい最低限であれば良いのか、有名な事例で補足すると、オンラインストレージサービスの「Dropbox」は、サービスローンチ前にサービス利用の画面を録画した動画を用意して顧客の反応を確認したそうです。マッチング系のサービスであれば、LINEなどを活用してマッチングのオペレーションを人力で回します。

仮説どおりの価値(コスト・工数削減、売上向上など)を提供できたら、有料でも使い続けたいか確認しましょう。

ここまでやって初めて、立てた仮説が事業として実行可能なものであるという判断ができます。

③実装

事業仮説の検証が完了したら、最後は会社としてこの「事業」をどのように実装するかの計画を立て、社内(経営層)の承認を得ます。
事業計画を立てる際には、

向こう3年の事業PLシミュレーション
ユニットエコノミクス・KPIの設計
事業開発に必要な組織要件の整理

などを踏まえます。

ここでの業務が、皆さんが持つ新規事業開発のイメージに近いかもしれませんが、ここまでくるプロジェクトはほんの一握りです。
新規事業の開発業務のほとんどが、泥臭く顧客にアプローチし、粘り強く取り組む仕事なのです。

新規事業開発を経験すると何を得られるのか?

それでは、こうした泥臭い仕事=新規事業開発を経験する意義は、何でしょうか?
個人的には以下の3つだと思っています。

①の「ビジネス推進力の向上」についてですが、新規事業開発とは「どうやったら事業が成り立つのか」を考え抜き、実行することです。

事業がどのような構成要素で成り立っているのか、各構成要素を成り立たせるためには何が必要かを突き詰めて考えるため、必然的に事業全般の解像度が上がり、そうすると以前は見えていなかったもの、理解できなかったものも把握できるようになります。
結果として、提案内容やアクションの質の向上にもつながります。

②の「タフになる」は、当たり前と言えば当たり前のことかもしれません。まだ形がない事業を、顧客に受け入れてもらうこと自体、非常に難しいことです。否定や厳しい意見を頂戴することもありますし、その度に修正を繰り返すことになります。その過程を経て、失敗を恐れないメンタルや耐久力が格段に上がりますし、困難でも挫けないタフさが身に付きます。

③の「チャンスの増加」については、新規事業開発の過程で「ゼロから事業を構想・提案」「事業の検証、実装」「経営陣との密なコミュニケーション」を経験することで、ビジネスパーソンとしての視座が格段に高まると思います。かつ、ビジネスの総合力が求められます。職種関係なく、事業企画・プロダクト設計・モックアップ作成・営業・マーケティング・プロジェクトマネジメントなど・・・幅広い仕事を一度に経験できるので、自身のスキルアップに大きく寄与します。

新規事業開発は経験や頭の良さよりも、能動的かつ身軽に動くことが必要とされる局面も多いので、たくさんの経験を積みたいと考える若手メンバーこそ経験した方が良いと思っています。

Supershipグループでは「誰にでも」新規事業の門戸が開かれています。

ここまで「新規事業開発では何をするのか」「新規事業開発の経験から何が得られるのか」を説明しましたが、いかがでしたか?

なかなか大変なことも多く、自分(たち)だけでやるには厳しい&途中で心が折れてしまいそう・・と感じた方もいらっしゃるかもしれませんが、Supershipグループには新規事業立ち上げを支援する「Supership Group Startup Studio」があります

いつでも門戸は開かれているので、「今は事業アイデアはないけど、ちょっと興味がある...」という方もウェルカムです!

「まだアイデアはないけどSSGSSの取り組みを知りたい、話を聞きたい」
「考えているアイデアの壁打ち相手になってほしい」
「新規事業開発について、いろいろ教えてほしい」

という方がいればSlackでSSGSSメンバーの大澤と糸井までお気軽にDMしてください!

雑談でも良いので話しかけてくれると嬉しいです!(笑)

▼Supership Group Startup Studioについてはこちら(SSGSS通信#01)もご一読ください

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