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「変わる開発から変える開発へ」の第一歩 〜プロダクト開発本部 全体会レポート〜

※この記事は2020年12月に公開したものです。

皆さんお疲れ様です!Supershipホールディングス コーポレートコミュニケーション部/Super Stories編集部の大崎です。

先月、Supership プロダクト開発本部の全体会がオンラインにて開催されました。

プロダクト開発本部は、今年度下期の組織変更により生まれた新組織で、「アドテクノロジーセンター」「データソリューションスタジオ」「データアナリティクス部」(旧データサイエンス&エンジニアリング部)「アドソリューション室」(旧プロダクト企画部)を内包し、Supershipの開発部門を一つに束ねる組織となっています。

この組織の誕生に伴い、エンジニアやデータサイエンティストに改めてマネージャーたちのメッセージを伝えるため、開催されたのが今回の全体会となります。

全体会では、プロダクト開発本部の本部長を務める執行役員CPOの佐野さんをはじめとするマネージャー陣が登場し、それぞれの想いを語りました。

この記事ではその全体会の模様をお届けします!


社内の連携を強化し「変える開発」へ 【本部長 佐野さん】

まず始めに、本部長の佐野さんから、この組織変更のねらいについて語られました。

「これまでは、ScaleOut Ad Platformをはじめとする広告プロダクトと、S4などの検索プロダクトが、組織的にはっきり分かれていて、言ってしまえば別々の2つの会社のような感じだったと思います。一方で昨今、3rd party Cookieに関する規制などの影響で、広告プロダクトがより1st party化されてきており、S4も、S4Adsという広告プロダクトを作ったりと、ビジネス・開発の両面でオーバーラップしてきています。そういった背景があり、お互いのノウハウやビジネスの連携強化によるシナジーを生み出すというのが大きな狙いです」

この連携に伴う施策としては、大岩さん(データソリューションスタジオ スタジオ長)と名畑さん(アドテクノロジーセンター センター長)が中心となって進めている「交換1on1」(自らの管轄する部以外のメンバーとの1on1を通じ組織間の理解を深める)や、ポストCookie時代の広告システムにおけるデータ活用についてのエンジニアとデータサイエンティストの連携、ソフトウェア資産やプロダクト開発の管理一元化、そしてオンプレとクラウドを横断したインフラ戦略の立案・実行が挙げられています。

そしてプロダクト開発本部の発足と同時に、データサイエンス&エンジニアリング部は「データアナリティクス部」に名称変更し、データ基盤の開発に携わるエンジニアチームはデータソリューションスタジオにジョインすることで分析・ML・ディープラーニングによりフォーカスした組織に。プロダクト企画部は「アドソリューション室」に名称変更し、広告系プロダクト全般の企画のみならず、営業支援までを担う組織となりました。

CTO/VPoE/CPOの役割分担

また、CTO・CPO・VPoEの役割分担についても語られ、CTO(宇都宮さん)は「最高技術責任者」として、プロダクトをつくる技術はもちろんのこと、会社を支える技術も含む幅広い意味での技術に責任をもつこと、CPO(佐野さん)は「最高プロダクト責任者」として、事業戦略の実行と、それにあたって何を実装する(しない)かの意思決定に責任をもつこと、そしてVPoE(名畑さん)は「エンジニア組織マネジメント責任者」としてチームや組織が働きやすい環境を作っていくことに責任をもつことが役割である、と話しました。

各部室の下期のスローガン

そして、下期における各部室や本部の目標について、佐野さんは次のように話しました。

「特徴的だと感じたのが、変化に対応未来を意識ミライリアル将来、そして安定供給、といったキーワードです。“変化”や”ミライ”といった攻めのキーワードが多く、コロナ禍や米大統領、日本国内でも首相の交代など、世界情勢が大きく変化していく中、Cookieレスへの移行など、私たちの事業を取り巻く環境にも大きな変化があることがわかります。一方で、『安定供給』というキーワードがあるように、プロダクトのクオリティやサービスレベルといった、本質的に変わらない部分を守っていくこともしっかりと続けなければならないと改めて思いました」

「それを踏まえ、プロダクト開発本部としての下期目標は、『変わる開発から変える開発へ』としたいと思います。時代が変わっていく中、本質的に変わらないものもしっかり守っていかなければいけない一方で、アドテクノロジーや、コマーステクノロジーに取り組んでいくにあたっては『Cookie使えなくなるから〜』とか、時代に流されるよりは、我々が時代を流していくようなプロダクトづくりを実現できる組織にしたいと思っています」

そして佐野さんに続き、CTOの宇都宮さん、VPoEの名畑さん、各部室のマネージャー陣が所信表明をしました。

“るろうのCTO”として周囲を巻き込んでいく 【CTO 宇都宮さん】

「私は今年4月にCTOに就任しました。4月の組織変更は、稲葉さんからお話があったかと思いますが、『会社の経営イシューを解決する』という目的のもと行われました。皆が誇れる会社・組織にするために、より強いプロダクトを作る。そのために『技術力』『UI/UX力』『企画力』『開発力』が必要なので、それらに対してケアをしていく、という話がありました。つまりは『事業の永続化』を見据えた組織変更だったと私は考えています」

「強いプロダクトへのアプローチとして、組織変更とタスクフォースの2本立てでケアしていこうというのが4月の段階でのねらいになっていました。そうした中でCTOに就任した私には、役割が明確に振られていて、また特徴として、これまでCTOは何かしらの部門の管掌役員といった形で組織部門に組み込まれていましたが、今回は組織部門に所属していません。いわば“るろうのCTO”としてフラフラしています」

「ではどういった役割や権限があるのか?ということですが、役割は『全社の開発コスト、インフラ・オペレーションメンテナンスなどの維持コストを最小化する責任を持ち、将来を見据えた技術戦略を策定する』こと、そして権限は『開発に関する横断戦略の実行』などとなっています。この役割は結局どういうことかというと、私たちがしている知的生産のワークロード(仕事量、作業負荷)を下げましょう、ということです。CPUやサーバー、手元のMacのワークロードから、自分たちの作業量までを下げて、生産性を上げなさい、といったことを言われています」

「つまり、今のところこの会社のCTOは・・TCO(Total Cost of Ownership=総保有コスト)という言葉があるんですが、そこのコントローラー、管理者、つまり『CTO is CTCO(Controller of Total Cost of Ownership)』みたいな立場になっています。ただその執行権限は私は持っていないので、これはなかなかちょっとハードだなというのを感じているのですが、そうした中でも、周囲を巻き込んで事を進めていきたいので、『なぜやるか』を説いていくために、観察(Observe)・状況判断(Orient)・意思決定(Decide)・自発的行動(Act)のいわゆる『OODAループ』をまわしながらいろいろなところを巻き込んでいっています」

「また、事業の永続化ということを見据えると、今後は後任も育成していかなければいけません。4月の組織変更の際にも、会社のコアコンピタンスのひとつはテクノロジーであるというメッセージがありました。そうした意味でもCTOという職位は今後も在り続ける必要がありますが、私が在任し続けるべきとは全く思っていません。私自身、最前線の技術に今後ついていけなくなり、結果として経営が求める技術を提供できなくなるかもしれないというリスクもあるため、時代によって求める人物像を満たすCTOを計画的に育成していかなければいけないと考えています。いわば“師匠と弟子”のような、スターウォーズでいうと“マスターとパダワン”、鬼滅の刃で言えば“柱と継子”のような育成システムを作っていきたいです」

「そういったことをふまえて、CTOをやるうえでこれは念頭においてほしいということを“拾ノ型”としてまとめてみました。拾ノ型と言いつつ実は11個あるのがミソです。型は付けるものであって型にハマっちゃダメなので・・・これはまたどこかで話す機会があれば詳しくお話したいと思います」

Supership CTO 拾ノ型

「現在はCTOにコストカッター的な振る舞いが役割として求められている状況ですが、私の代でその経営課題を解消させて、CTOの役割を創造的な役割も担う立場に変え、その立場がフィットする後任を育てて職位を委譲する事こそが私の本当のミッションだと思っています。私自身も取り組んでいきますので、皆さんもぜひご協力をお願いしたいと思います!」

メンバーが価値を発揮し、働き続けられる組織へ 【VPoE 名畑さん】

「私の役割は、CTOが目指す技術的な方向性と、CPOが目指すプロダクト的な方向性を実現できる組織づくりに責任をもつことだ、と認識しています。これをさらに自分の想いに置き換えると、『皆さんに長く働いていただける組織でありたい』という強い想いがあります。誤解が無いように言っておくと、同じ仕事内容をずっとしていてください、といった意味ではもちろんないです。また仮に退職したとしても、戻ってきたいと思える場でありたいとも思っています。切実な本音としては、退職してほしくないのですが・・・」

「さらにもうちょっと深掘っていくと、長く続けるためには当然結果が出ていないといけません。つまりは、開発組織が事業に貢献できている必要があります。クオリティ・コスト・納期を含め、ちゃんと貢献できていること。そして結果を出すために“人”は大事なので、新卒も中途も、採用についてはしっかりと私が責任をもってやっていかなければいけないと認識しています。また、成長し続けられる組織であるために、情報の風通しを良くしたり、人の流動性を確保したりといった取り組みも進めていきたいです」

「また大前提として、皆さんが最大限に価値を発揮できる組織づくりは絶対にやらなければいけません。何かを成し遂げる時に、例えばアドテクセンターがクラウドをやりたいとなった時にはDSS(データソリューションスタジオ)の方からクラウドの知識をいただくなど、技術と英知を結集させられるようにしないといけません。そのためにまず何をやったかというと・・お恥ずかしい話、4月にVPoEに就任した当初は、これまでアドテクセンターに長く身をおいてきたこともあり、正直アドテクセンター以外が何をやっているかが全くわかっていませんでした。そこで、それぞれの部門を牽引してきた佐野さんや宇都宮さん、大岩さんと積極的にコミュニケーションをとるようにしました。皆さんとはいずれも数年の付き合いになりますが、1日で数年分を超えるくらいのやりとりをしていると思います。こうした皆さんとのコミュニケーションの甲斐あってか、現在は各部門についての理解は深まり、開発組織全体の風通しも以前よりも良くなってきたと実感しています」

「加えてまだ道半ばですが、組織の成長を担うマネージャー向けの研修施策についても人事と連携しながら形にしていきたいと思っています。採用についても新しいツールの導入や、新卒採用イベントへの参加、さらには部門ごとの採用優先度の全社的な認識合わせもしっかりやっていきたいです。また、これはもともと宇都宮さんからのご提案なのですが、求人票にエンジニアの目線をもっと入れていきたいという話が出ていて、GitHubなどで管理し、エンジニアがプルリクを出したらそれが求人票に反映されるようなことを仕組みを作りたいと考え、すでに着手しています」

「他には社会貢献活動として、小中学生の教育にプログラミング教育を取り入れている『みんなのコード』というNPO法人と連携した活動を行っていて、去年は大岩さんと一緒に小学校で授業をやってきました。SuperMagazineに記事が出ているのでよかったら見てみて下さい。

今年も11月に石川県の中学校でオンラインの職業インタビューを実施しました。来年はさらにこれを広げていきたいと思っています。

あとはアドテクのウェビナーをLOBさんと共同で開催したり、

他社ツールの活用についてのインタビューを受けたりもしています。

情報発信は採用にとっても大事なので、今後も力を入れていきたいです」

「そして最後にお伝えしたいんですが、私自身社会人になって20年ほど経って、上司や先輩から色んな叱咤激励を受けてきたんですが、その中でとても心に残ってる言葉があって、

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十数年前、先輩に、今楽ができる開発よりも将来楽できる開発をしなさいとすごい言われて、当時は言ってる意味が腹落ちできずにいたのですが、今だったら、将来に活きることを重視すべきだということはわかります。私自身も、何かをつくる時には絶対将来をちゃんと見据えようという意味でこの言葉を肝に銘じています」

新時代のアドプラットフォームの形をつくる 【副本部長/広告プロダクト統括 大野さん】

大野さんは、日本テレビ系のプライムタイムで放送される番組のネット同時配信が試験的に行われるなどの地上波テレビ局の動きから、ライブ配信が広がり、広告配信のニーズがより一層高まることが見込まれることを踏まえ、次のように語りました。

「ScaleOut Ad Platformは、ライブ配信に対応していくために全体的に最適化していく必要があると思っています。今後ビジネスとして成立させられるように、インフラのコストをいかに抑えてアドプラットフォームを運営していくかが非常に重要なので、そこをこの半年〜1年ぐらいかけて計画を立て、次の基盤となるScaleOut Ad Platformを作っていきたいと思っています。そのほかにも、ポストCookieの対応として、代替IDを活用した配信の整備などを先駆けて対応していますが、今後も新しいプラットフォームとしての対応を進めていければと思います」

本部で課題共有し、一丸となって取り組む 【広告プロダクト開発統括 落合さん】

「私からは『プロダクト開発本部、良いよ!』という話をしたいです。Supershipが始まってから、開発組織がまとまったというのは初めてです。私もこの組織でどのような変化が起きるのかわからない部分が多かったのですが、すでにマネージャー陣の会議体でいろいろな動きが始まっています」

「アドテクノロジーセンターでは、『生産力の最大化』の観点からさまざまな取り組みをしてきましたが、今年度はなかなか十分に施策を打ち切れていなかったという課題感がありました。そういった課題に対して、CTOやCPOやVPoEを含め、プロダクト開発本部全体の課題としてみんなで取り組めてきているなというのが素直な気持ちです。本当に心強いと感じています。いま抱えている課題はアドテクセンターというくくりだけではなく、プロダクト開発本部の皆さんの力が必要です。すでに色々声をかけさせてもらって、一緒にやっている人たちもいっぱいいますが、引き続きみんなでやっていきましょう、とお伝えしたいです」

危機への対応と販売促進でより“売りやすく” 【アドソリューション室 室長 赤津さん】

「我々アドソリューション室は、プログラマティックに関するプロダクトの企画・開発をすべて請け負う組織です。これから先、AppleのIDFAがオプトインベースになり、Google Chromeで3rd party Cookieが使えなくなるなど、プログラマティックの世界は大きな変化が見込まれていますので、それに対応したアドプロダクトの開発と、これまでは販売促進の部分が若干弱かったので、そこを担い、強化していく役割があります」

「我々としては、近い未来の危機に対し、代替のIDソリューションを導入するなどの対策を講じたりとか、広告主向けに展開している商品を整理し、売り手が提案し売りやすくしたり、広告主のKPIや商材から逆引きで提案すべき商品がわかるようなマトリクスを制作したりして、販売促進を進めていきます」

“餅は餅屋”でマネジメント不足を解消したい 【データソリューションスタジオ 部長 大岩さん】

「プロダクト開発本部でこれからやっていきたいと思っていることがあります。皆さんから話を聞いてると、何でもかんでもエンジニアがやらなければいけない状態があったりと、“マネジメント不足”という課題が存在するのではないか、と感じました。マネージャーの数は増えているのですが、それでも足りていない部分があったり、人によっては調整ばかりで満足に開発ができていないと感じている方もいたりと、課題は多くありそうだと思いました」

「そうした中で組織が大きくなってきたので、やはり自分の強みを活かせるような、“餅は餅屋”でやっていくのが良いのではないか、ということで、将来的には横断型の新しい組織を作っていけたら良いと思っています。時期などの詳細は調整中です。DSSにはディレクターやデザイナーもいたりするので、そういった知見をプロダクト開発本部全体に還元することをやっていきたいと思っています!」

データサイエンス周りの悩みはSlackまでお気軽に! 【データアナリティクス部 副部長 山内さん】

「ここまで皆さんが言うべきことを殆ど言ってくれたので、私から伝えたいことはひとことです。データサイエンス周りで悩みがあったら、Slackの #dse_analyst_request まで気軽に相談してください!」

「現在の全社の課題としては、Cookieが使えなくなって次の打ち手を用意しなければいけないということがあり、データアナリティクス部としては、エンジニアの皆さんとの連携が一部しかできていないという部分があります。またデータアナリティクス部に対して皆さん(主にエンジニア)がもっている課題としては、データサイエンス周りで課題が起きた時に自分で解決しようとすると時間がかかる、といったことがあるのではと思っています。そのための解決策として、今あるリソースに優先度をつけて案件対応し、空いた時間でエンジニア&ビジネス&データサイエンティストで連携して次の打ち手を考えたり、エンジニアとデータサイエンティストが連携し生産性を高めていったり、といったことをやっていきたいです。その連携のために、すぐできるnext actionとして、悩み事があったらまずは気軽に相談してもらいたいと思います」

この全体会の模様は、動画アーカイブでもご覧いただくことができます。
こちらにあるURLからどうぞ!
(※動画の公開はSupershipグループのメンバーのみとなります)

また、マネジメント層からのさらなる情報発信として、CTOの宇都宮さんを中心とした対談企画「CxO’s Cafe」が年明けより始動予定です!
詳細は後日発表します。
Super Storiesにてレポートも公開予定ですので、お楽しみに!

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