正しい形でチャレンジを続け、今やるべきことを積み重ね、グループの飛躍を実現する【Leader's ミライリアル 長谷川さんの場合】
お疲れ様です!Super Stories編集部の大崎です。
Supershipグループでは、Group Purpose「ミライリアルの幸せを、デジタルの力で創る」の浸透に向けた取り組みを進めています。その一環で現在、グループの全従業員を対象としたワークショップ "CAMP” を順次実施しています。 "CAMP” ではメンバー一人ひとりの「ミライリアル」を言語化していますが、この連載「Leader’s ミライリアル ◯◯の場合」では、グループのマネジメント陣が掲げる「私のミライリアル」とその背景にある「価値観、好きなこと、得意なこと」をお届けします。
今回は、Supershipホールディングス ピープル&コミュニケーション本部 本部長 兼 経営戦略部 部長 長谷川 哲也の「Leader’s ミライリアル」です。
Supershipグループを牽引するマネジメント陣が考える、各社・各事業の“未来予想図”である「私のミライリアル」にぜひ触れてもらい、日々の業務(=旅路)を進めるヒントとしてご覧ください。
【 カルチャー浸透施策のひとつ、「カルチャーブック」については以下の記事で制作意図などを語っています。ぜひこちらも合わせてお読みください 】
長谷川さんの「私のミライリアル」
―長谷川さんの「私のミライリアル」にはどのような思いが込められていますか。
「会社の成長には、バックオフィスの力が非常に大きく関与すると私は考えています。Supershipグループも、ビジネスサイド・開発サイドだけではなく、これらを支えるバックオフィスがあってこそ成り立っていますし、グループ、組織、そして若手の優秀なメンバーたちの未来を、HR・経営戦略・コミュニケーションの力で育みたいと思います。
私は、今年(2023年)1月に旧人財開発本部とコーポレートコミュニケーション部(編注:広報機能などを担う部署)を統合し発足した『ピープル&コミュニケーション本部』の本部長を新たに担うことになりましたが、メンバーの皆さんには、誰かの指示を受けたからとか、会社がこういう状況だから、ということではなく、ぜひ自分の力・責任でこのグループをより盛り上げていくという意識を持って一つひとつの仕事に丁寧に取り組んでもらいたいと思います。その積み重ねが企業力のさらなる向上につながっていくのはないでしょうか」
価値観・好きなこと・得意なことについて
―続いて、その背景にあるご自身の価値観や好きなこと、得意なことについてお聞きします。ご自身の価値観は「権威」「挑戦」「責任」の3つを選ばれましたね。
「『権威』というと肩書きやポジションにこだわっているように捉えられてしまうかもしれませんが、そうではなく、“他者に対し、責任を持って指導する”という意味合いで選びました。今までの自分のキャリアや、今のポジションを考えた時に、この言葉が価値観として適切だと感じます。一人の成果ではなくチームや会社全体で成果を上げるという視点から考えると、そのためには若手のメンバーたちにもどんどん成長してもらいたいので、こういった意識を持ちたいと思っています。
『挑戦』については、自分のこれまでのキャリアを振り返った時に、挑戦していない時は無いんじゃないか?と思ったので選びました(笑)。新卒入社後まもなくしてIR業務に携わったり、起業したりとこれまでさまざまなことがありましたが、単なる“挑戦”にとどまらず、難易度が高くて他の人がやらないようなことにも自分はチャレンジしたいという思いがとても強いです。
そして、指導やチャレンジすることは、無責任にやろうとすればできてしまうものですが、それをしっかり『責任』を持ってトライするからこそ価値あるものになると考えているので、この言葉は大切にしたいと思います」
―好きなことは「人の成長を支えること」「共創すること」「正しいことを正しく進めること」の3つを挙げられていますが、コーポレートコミュニケーションの領域に長く携わってこられた長谷川さんが、コミュニケーションに関する事柄を挙げていないことが意外に感じました。
「それに関しては、ここに挙げたことをやる過程で、コミュニケーションは必要不可欠であると捉えています。人の成長を促すためには、その人に合ったコミュニケーションの仕方を工夫することが必要ですよね。丁寧に支える必要があるフェーズの人もいれば、逆に突き放してチャレンジさせることが必要な場合もあります。
『共創すること』については、人にはそれぞれ得手・不得手がある中で、異なった得意領域やスキルをかけ合わせることでチームとしてもより大きな成果が得られると思っていて、そこに面白さも感じているので選びました。
また、多少時間がかかったとしても、裏技を使わずに『正しいことを正しく進める』のが好きなやり方です。裏技のような本質的でないやり方で短期的な成果が得られることもあるかと思いますが、それでは本当の成功には決してつながらないと私は思っています。“Honesty”の気持ちを持ち続け、正攻法で物事を進めるべきだと思います」
―そして得意なことは「周囲に流されず、混乱下でも信念をもって貫き通す(虚心坦懐)」「コミュニケーション、IR&Financeに関する経験と知識」「仕事を楽しむ」を挙げていただきました。
「『虚心坦懐』(編注:きょしんたんかい=心に何のわだかまりも無く、気持ちがさっぱりしていることやそのさまを指す)は座右の銘です。過去に会社経営も経験し、良い時も悪い時もありましたが、そうした中でもやるべきことは明確にありました。良い時に浮足立って分不相応に大きな投資をするとか、悪い時に少し横道に逸れた考え方を持つとか、そうではなく、正しいことを正しく貫き通すことを意識したいです。
『コミュニケーション、IR&Financeに関する経験と知識』については、利益や売上といった数字を記号としてではなく、それらが持つ意味や本質をストーリーとして伝えることが得意です。
3つ目の『仕事を楽しむ』は、難しいことでもチャレンジをして、かつそれを楽しむような気持ちはずっと持ち続けたいということですね。どんなに大変なことでも、月日が経てば、仕事仲間との飲み会で『あの時は死ぬかと思ったよね〜』と伝説になったりしています(笑)。その渦中においてはみんなで力を合わせて必死にやっているので大変ですが、それも全て良い思い出になっていますね」
価値観が育まれた人生のターニングポイントは
―続いて、長谷川さんの人生の“幸福度の増減”を折れ線グラフにした「ライフチャート」に沿って、ご自身の価値観や好きなこと・得意なことが育まれるきっかけとなったエピソードを伺います。
新卒で入社されたのはアミューズメント系の会社で、1年目からいきなり広報というのは珍しいのではと思いますが。
「その会社に入社した時に、初めにさまざまな部署について説明を受け、それを踏まえて配属の希望を聞かれて、広報を挙げたらそのまま配属されました。
広報を希望したのは、部署説明の際に『まだ言語化されていないものを言語化する仕事』という説明を受けて、それが自分の中ではかなり刺さって、面白いと思ったからです。経営者が考えていることを、広告代理店や関係部署とディスカッションしながら、例えばそれをコーポレートやサービスのロゴに落としたり、タグラインとしてメッセージアウトしたりする部署だと聞いて、漠然とやってみたいと感じました。
実際に広報として、社長の思いを言語化してブランディングするプロジェクトにも携わらせてもらいました。私がその会社に入りたいと思ったのも、“エンターテインメントは、衣食住などとは違って人生には本来必要の無いものだけど、だからこそむしろ必要であり、エンタメがあるからこそ世の中を豊かにできる” という社長の言葉に深く賛同したことがきっかけの一つだったので、その仕事ができたのはとても良かったです」
―そして入社した翌年に、IPOを経験されます。
「非常に良いタイミングでの入社だったと思います。その時に、広報だけではなくIRも経験したいということを会社に申し出たところ了承され、上場に際するコミュニケーション活動も担当させてもらいました。それが自分の人生において、広報とIRを軸にしたコミュニケーション活動というキャリアのスタートになり、そこから長年続けることとなります。
まずはJASDAQ(当時)に上場し、その2年後には東証一部(当時)に上場、さらには大企業同士での経営統合というステップを踏みましたが、そこも含めて継続的にIRを担当させてもらいました」
―入社2年目で難易度が高いIR業務に携わるというのは、大変なことも多かったのではないでしょうか。
「大変ではありましたが、そもそも新卒でいきなり広報というのもなかなか経験させてもらえませんし、IPOするからIRやらせてくれ、と言ったらやらせてもらえる会社も多くはないと思います。そうした中で、自分から手を挙げてやらせていただいて、言ったからには責任を持って、どうにか必死にしがみついていきました。
東証一部に上場する辺りから接点を持つ投資家の規模感はとても大きくなり、1人で5,000億円を動かすようなファンドマネージャーも多くいます。そうした人たちと会って会社の説明をするのですが、質問される内容がとても難しく、意味が全然わからないんですね。これはマズいと思って次はきちんと回答できるように必死にトレーニングを重ねました。
その甲斐あって、再びそのファンドマネージャーと会った時にすべて答えることができると、とても評価していただけます。それを繰り返すことで、投資家からの会社の評価も、スポークスマンとしての自分の評価も上がり、やがて株価や企業価値にも紐付いていきました。できなかったことを自分の伸びしろとして、乗り越えるために勉強する、その積み重ねだったと思います」
―その後、大規模な経営統合なども経験されたあと退社し、会社を設立され代表を務められました。広報やIRに20年以上携わる中で、事業サイドを経験することなく起業されたということですが、これもまたキャリアとして珍しいのではないでしょうか?
「そうですね、かなり珍しいと思います(笑)。ずっと広報やIRをやってきて、30代後半の頃にこれからのキャリアのことや、次は何にチャレンジしようかと考えていた時に、自分が最も信頼していた方とお話をして起業しました。ずっとIRをやってきたからこそ、数字の読みや理解は完全にできる自信があったし、部署横断型プロジェクトにも携わり大人数のメンバーを束ねた経験もあったのですが、やはり実際の経営となると“見える景色が違う”なと感じました。
前言の『得意なこと』でも触れましたが、IRの時は売上や利益といった数字を“記号”に近いものとして扱っていました。一方で自分が経営者として立った時のそれは、いわば会社の血液であり、健康診断の結果がそのまま見えているようなものでした。それまではある意味、責任が無いと言うのも違いますが、会社の数字を理解して投資家に説明する役割を担う立場から、数字の重みを理解したうえで経営する立場になったので、そこの感覚はガラッと変わった形です。
自分が社会人になった頃からお世話になり、尊敬する経営者の方から、『経営資源はヒト・モノ・カネ・情報の4つで、その中で一番大切なのはヒトだ』と言われ続けてきました。結局、モノ・カネ・情報はヒトがつくってナンボのもので、ヒトあってこその会社であり経営だということを忘れるな、という言葉を頂いていて、どんな時でも人をとても大切にされる方でした。
その経営者の方の言葉と行動は今でも私の中にも刺さっていて、だからこそ自分が会社経営から身を引く際に、離職していただくこととなった一部のメンバーに対しても、次にバトンをお渡しできるようなところまで丁寧に責任を持ってやり遂げました。その結果、さまざまな苦楽をともにしたメンバーたちからは楽しかった、またみんなで再チャレンジしたいという温かい声をいただくことができたので、最後まで責任を持ってやれたかなと感じています」
―その後、Supershipホールディングスにジョインされるわけですが、再び会社員としてのキャリアを歩むにあたって、この会社を選ばれたのはなぜですか?
「もともと自分はエンタメ・製造業の業界でずっとキャリアを歩んできましたが、Supershipグループのビジネスは全く異なり、インターネットの世界であるところに興味を持ちました。かつKDDIグループという中で、大きな経営資源をもとにレバレッジをかけて成長できるポテンシャルを持っている点も面白いと感じました。
また、会社が上場準備を進めている段階で、自分のキャリアに興味を持ってもらったことも理由の一つです。私はずっとIRの領域でキャリアを積んできましたが、会社の経営も担ったことで、“血液としての数字”の重みを知っているIRマンになれているんじゃないか、そしてそういう人は世の中にほぼ居ないだろうと思い、そのキャリアを改めて積み上げていくチャレンジをしたいと考えジョインしました。
入社してからこれまで、複数の投資家さんともコンタクトを取っていますが、このグループはとても注目されています。もちろんまだ課題もありますが、そこをクリアして、このグループを絶対に飛躍させたいと思っています」
―一方で長谷川さんご自身の役割は入社後変化し続けていて、現在は人事領域も管掌内となっています。ご自身のキャリアとしての展望などはあったりするのでしょうか。
「それもただの結果論で、自分の肩書きへのこだわりは一切なく、純粋にSupershipグループをより大きな組織にしたいという思いは変わりません。それはIRという役割で担うことかもしれないし、現在のピープル&コミュニケーション本部、そして経営戦略部のポストによって、いま見えている解決すべき課題に対して自分ができることを全力でやることもとても重要だと思っています。
『こうなりたい』という姿から逆算でキャリアを積み上げていく方は多いと思いますが、私の場合は逆で、今やるべきことのベストエフォートを常に積み上げていき、その結果できること・やるべきことがめちゃめちゃ大きくなっていました、という人生を歩んでいると感じています。
一つ新しい経験を積むと、次の新しいチャンスは必ず来るし、逆算で組んでいくことも大切なことだと思いますが、もともと設定した姿よりも実はもっと大きなことができるチャンスが人にはあるかもしれないじゃないですか。そういった可能性も潰さないように、まずは自分たちでできることを一つひとつ丁寧にチャレンジしていくことも同じように大切だと思っています」
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