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2024年、Supershipの体制刷新。その狙いを代表の稲葉さんに聞く

お疲れ様です、Super Stories 編集部の大崎です。

2024年4月1日をもって、Supershipは親会社のSupershipホールディングスと吸収合併し、存続会社となるSupershipホールディングスは社名をSupershipに変更し、新たな経営体制を発足しました。

合併についてのプレスリリースには、以下のように本合併の目的が記されています。

経営資源を統合し、事業運営の効率化と意思決定の迅速化を図ることで、さらなる企業競争力の向上を目指すため。 

統合を決断するに至った背景、そして狙いとは何なのか?さらに、今後のSupershipグループが見据える未来像とは?

Supershipの代表取締役社長CEOである稲葉さんに話を聞きました。


なぜこのタイミングで合併を行ったのか

ーまず、なぜSupershipとSupershipホールディングスを合併するに至ったのか、そしてなぜこのタイミングで決断されたのかを伺えますでしょうか。

私たちのグループが置かれている環境を改めて見たときに、意思決定のスピードをより上げていく必要があることを強く感じたからです。そのために、Supershipホールディングスと、グループの中核会社であるSupershipの関係においては、Supershipに経営資源を寄せるべきだろうということで合併の決断に至りました。実際、合併を決めたのは昨年(2023年)の秋頃だったので、かなり急ピッチに進める必要があったものの、関係者の皆さんには滞りなくスピーディーに進めていただけたので本当に感謝しています。

また同じタイミングでオフィス移転も行いましたが、これは「コストの最適化」が最大の理由です。かつては自分に多少負荷をかけて成長するという考えもあり、大きなオフィスに入居していましたが、僕はどちらかというと「小さいところから始めてどんどん大きくなっていこうよ」という考えなので、今のオフィスの方がフィットしていると個人的には感じています。

実際、メンバーが週に2〜3日出社する現在のスタイルに今のオフィスサイズはぴったりですし、人との距離感も以前よりも近くなったことで、自然とコミュニケーションも生まれて良い雰囲気だな、と感じます。

―冒頭で「Supershipグループを取り巻く環境」について触れられていましたが、その点を具体的に、事業にどのように影響してくるかを含めてお伺いしたいです。

3rd Party Cookieの規制については、延期が相次いでいるものの確実に行われるでしょうし、使えなくなることを前提とすると、1st Partyデータを活用していく方向で考えなければいけないと思っています。

Supershipの事業ドメインは「エージェンシー」「広告プロダクト」「リテール」の大きく3つに分けられ、エージェンシーと広告プロダクトにおいては3rd Party Cookieも活用していましたが、これからは1st Partyデータに寄せて事業展開を進めていかなければなりません。また、リテールはその最たるものとして、私たちが支援させていただくEC事業者様、流通企業様のドメインにおいてデータを有効活用していく必要があります。

ーそして合併と同時に、事業名称の変更も行われました。「マーケティングテクノロジー事業」は「マーケティングソリューション事業」に、「データイネーブラー事業」は「データソリューション事業」に変更されましたが、これはどういった意図や想いが込められているのでしょうか。

Supershipは自らを「データテクノロジーカンパニー」と位置付けていますが、これをもう一段アップデートしていく必要があると考えています。

私たちはプロダクトを提供することで成長してきました。個々のプロダクトがそれぞれの領域で一定のシェアを持つことができており、各事業が順調に成長した結果、“プロダクト寄り”な会社となっていました。プロダクトに強みのある会社であることは良いことですが、お客さまが置かれている環境がどんどん複雑化していく中で、単一プロダクトの提供だけでは不十分です。「お客さまのこの課題を解決するために、このプロダクトを使いましょう」というアプローチを超えて、「ソリューション」としての提案が必要になっています。

その潮流に対応するために、「データとテクノロジーを使ったプロダクトを作る会社」から、「お客さまの課題を深く理解し、それを解決するソリューションを提供する会社」へと進化したい、という意志を込めて事業名称の変更に至りました。

Supershipの各事業はこれからどのように動いていく?

―続いて、Supershipの各事業領域について、具体的にどういった点について注力していきたいか、そしてメンバーの皆さんに期待したいことなどをお聞かせください。

まずエージェンシーに関しては、基本的に親会社であるKDDIのハウスエージェンシーという立ち位置なので、1st Partyデータを活用して広告宣伝を支援し、それをさらに高度化していくために何が必要なのかを考え抜かなければいけません。媒体が多様化していく中で、今よりさらにデータ活用を高度化し、私たちの提供価値を上げるためにどう戦っていくのか知恵を絞ることも求められています。

また最近では、お客さまに寄り添って深く入り込み、共に仕事をすることが上手く回り始めていて、カスタマーセントリック(顧客中心主義)な働き方が根付いてきていると感じます。あとはそれをいかにして外部に横展開できるか。それは簡単ではありませんし、お客さまの課題に寄り添った価値提供の方法を“型”にしていかなければいけないので、これからそこに注力していこうと事業責任者とも話しています。

―広告プロダクトについてはいかがでしょうか。

当社の祖業であるからこそ大事にしたいという想いはありますが、戦い方を本質的に変えなければいけないと考えています。個のプロダクトそれぞれで考えるのではなく、全体的な事業ドメインとして状況を俯瞰して見て、全体戦略を描いていく必要があります。

何を強みとして残し、伸ばしていくか。この1年はその棚卸しをする年になり、経営資本を投下するものについてはきちんと投下する、という色をハッキリ出します。ただ、明るい未来を作っていきたいという想いがあることには変わりません。インストリームなどの領域は業界的にも伸びているので、そこに対する私たちの提供価値はどういったものかを考えていきたいです。

―リテール関連の事業についてはいかがでしょうか。

リテールは百花繚乱の時代です。国内外で数多くのプレイヤーがいますが、日本国内において“一丁目一番地”に旗を立てられた事業者はまだいないと見ています。また、日本特有の商習慣なども考慮しながら事業を展開する必要があり、そういった点については私たちの立場からすると面白いとも感じています。

リテールメディアという概念こそまさに1st Partyデータの活用における主戦場だと考えられる分野です。流通事業者の方々のアセットである1st Partyデータを活用して、媒体を提供する流通事業者様や、媒体に販売促進費を投下し、店頭やECサイトでお客さまに商品を手にとっていただき購買を目指されるメーカー様にも、そして生活者の皆さまにもメリットのある、三方よしの買い物体験を提供していきたいです。メーカー様にとっては、販促費を投下して展開している販促活動をいかにDX化し、その価値を向上させられるか。流通事業者様にとっては、投下された販促費にとどまらないレベニューを生み出せるか、という点がポイントになるかと思います。

そのフィールドはオンラインだけではありません。オンラインは「S4Ads(エスフォーアズ)」などによりリテールメディア化を進め、オフラインでは「Supership Touch Gift(タッチギフト)」などのソリューションを用いてどのように新たなビジネスを創造するのかが知恵の使い所です。タッチギフトはあくまでもお客さまとの接点づくりのためのツールで、それをどのように使うかが重要になってきます。会員獲得に向けた導線として使うのか、クーポンを発行して店舗での購入点数を増やすために使うのかなど、目的によって変わってきますし、そこで得たデータやPOSデータ、さらにECサイトや外部の広告配信データなどとも紐づけて、広告の閲覧から来店、購入までの流れを見ることもできると考えています。

また、タッチギフトで用いているNFCは、ビーコンなどと比べても導入時や給電におけるコスト面の負担が小さく、店舗を訪れるお客さまにとっても、受け身ではなくタッチという能動的なアクションによるものとなるので(勝手にプッシュ通知などが入ることがない)心理的にも受け入れられやすいと考えています。

何より重要なのは、オンラインの面であるECサイトや、流通事業者様のアプリやWebサイト、そしてオフライン環境である店頭、その全てにおいて私たちがハンズオンで伴走させていただき、カスタマーサクセスをなし得ることだと思います。繰り返しですが単一プロダクトを集積させるだけではなく、カスタマーセントリックにソリューションを提供することが重要です。オンライン・オフラインを跨いでデータドリブンに、効果の高い販促ソリューションを次々に提供していきたいです。

“ちょっとの危機感と安心感”の中で最大限にチャレンジを

ー新体制を率いる代表として改めてSupershipをどんな会社にしていきたいか、今後の意気込みや展望、そしてメンバーへのコメントを最後にお聞かせください。

私たちはブレることなく、ものづくりの会社であり続けたいと思っています。ただし、プロダクトをつくるだけでなく、お客さまを深く理解し、密に寄り添いながら課題解決や新たな価値を提供するような「ソリューションをつくる」ことを目指していきます。特に、3rd Party Cookieの規制が強化される中で、良質なデータを扱う能力がより一層の強みとなります。この強みを活かし、「良いデータを使って良いものをつくる陶工」が集まる会社であり続けたいです。そのために、Supershipはこれまでもこれからも、メンバーの皆さん一人ひとりの能力を育成し、それを最大限に発揮できる環境を提供し続けることを目指します。

メンバーの皆さんには「みんなめっちゃ頑張ってるよ!」と言いたいです(笑)。ただやはり、外的環境が厳しいために、ここ数年は厳しい戦いを強いられてしまっていると感じています。そうした中で逆に言えば、今はスクラップ・アンド・ビルドのタイミングであり、ある意味面白い状況なのではないでしょうか。自分たちの信じた道を突き進んでいって欲しいですし、こんなに劇的に変わる環境は良くも悪くも経験できないので、だったら楽しんだ者勝ちだなと。“ちょっとした危機感とちょっとした安心感”が共存する不思議な環境の中で、やれることを最大限やってほしいですし、良いデータを練り上げて良いものを作っていってほしいと思います。失敗を恐れずにチャレンジしてほしいですね。

―稲葉さん、ありがとうございました!

編注:本記事に記載されている内容は、2024年4月に行ったインタビューに基づいています。


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