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「これまでは試合ではなくバッティングセンターだったのかも」。2年連続の新規事業創出へのチャレンジで得たものとは?

Supershipグループの新規事業創出プログラム「ミライリアルCHALLENGE」。

その2回目となる「ミライリアルCHALLENGE 2021」では、3組が“本エントリー”に進出。このSuper Storiesでも選考会などのレポートをお届けしてきました。

先日、エントリー者たちによる2回目のプレゼンが「1次選考 2nd Stage」として行われ、選考の結果「この段階でのジャッジは行わず、マネジメント陣との壁打ちを経た上でプラン続行について各自判断する」こととなりましたが、最終的に3組とも「このプランでのチャレンジは終了とする」決断を自ら行いました。

今後、Supershipグループでは新たな新規事業創出プログラム「ミライリアルCHALLENGE TRYOUT2022」を立ち上げ、今回のエントリー者のうちの一部はこの新プログラムに移行し、新規事業創出へと再び挑んでいくこととなります。

「TRYOUT」スタートを前に、「ミライリアルCHALLENGE 2020」そして「2021」に2年連続でエントリーし、「TRYOUT」にも参加予定のSupership プロダクト開発本部 クリエイティブスタジオの森本さんに、プランを継続しない決断の裏にあった思いや、新規事業へのチャレンジで得られたもの、そして今後の展望を聞きました。

2年連続のチャレンジで、日常業務にも活かせる成長ができた

―森本さんは「未就学児を対象とした読み聞かせアプリ」のプランでミライリアルCHALLENGE 2021に挑まれましたが、今回はプランを「継続しない」という選択をされました。この選択にはどういった経緯があったのでしょうか。

Supership プロダクト開発本部 クリエイティブスタジオ 森本さん

「経緯はシンプルで、自分が解決しようとした課題とそれに対するソリューションを、Supershipグループで成功させるためのビジョンがなかなか見えなかったということです。

まず課題に関してですが、私はいま娘を育てていて、子育ての大変さを感じることが非常に多くあります。仕事や家事をしていると手が離せない瞬間があるのに泣いてしまったりとか、今はちょっと大人しくしていてほしいな〜と思ったりと、自分に刺さるイシューはあったので、それをもとに考えていました。ただ、実際に子育てをされている方々に話を聞いてみると、その課題はあるけれど大金を払って解決するほどの物でもないなと。生活の中では優先度が低いほうのイシューなのかもしれない、と思いました。

プロダクトの方向性なども含めてどうしようか考えた時に、元々のアイデアを上回るようなものが出てこなかった、ということで今回はピボットすることを選択しました」

―2020年から2年連続のチャレンジをされましたが、初年度と2年目で違いはありましたか。

「自分が成長したことですね。1年目でいただいたフィードバックをもとに2年目はどうしていくか考えていったので、プランの内容やイシュー、それに対するソリューションやプロダクトの考え方は1年前と比べると全く違うステージで挑戦できたのではないかと思います。

わかりやすい改善例としては、ヒアリングを全く抵抗なくできるようになりました。社内はもちろん、社外の方にも友達づてなどで聞いたり、実際に業界にいる有識者を探して話を聞いたりと、意識や行動の幅を広げられました」

―これまで抵抗を感じていたヒアリングも、外部の方含め積極的に出来るようになったことは、森本さん自身の成長として大きかったように感じられます。

「そうですね。あとは『現場で聞かなきゃわからないよね』ということを感じることもできました。自分が課題やその解決策について考えていても、それが市場で受け入れられるとは限らない。そうなると、人に聞くしかないし現場を見るしかない。一次情報を取りに行こうよ、という話ですね」

―日常業務にも活かされた部分があったりするのでしょうか。

「人に聞いて人に学ぶというか、根本的な部分ですが、色んな人に色んな事情があることをヒアリングで知れましたし、その中でそれぞれ考えていることが違うことも感じられて面白いと思いましたね。

ビジネスマンとしては当たり前ですが、クライアントがどういったことを言っているのか、なぜそれを言っているのかについて相手の立場になって考えることに、より気をつけられるようになったと思います。

あとは、考えることが前から好きだったのですがさらに楽しくなりました。いろいろな発想をロジカルに落とし込むことそのものを楽しめるようになりました」

―反対に、2回チャレンジしてきたもののまだ足りない部分や学ばなければいけないと感じる点はありますか。

「課題に対する仮説の作り方や、実際のビジネスでどのように収益があげられるのか、ビジネスの組み方や市場での勝ち方はまだまだわかっていないと感じます。ヒアリングを重ねて情報を集めて、その中からイシュー度が高いものを探すのがまず難しいですし、それが分かったとして、解決できるソリューションを自分で作れるのか?というと、それも非常に難しい。ロジカルであるのはもちろん、パッションも必要ですし、あるいは突拍子もないようなアイデアが時として鍵になるのかもしれません。

エンジニアなので元々ロジカルに考えることを求められてきたのですが、それとはまた違う“別の筋肉”を使う必要があるので、難しいですよね。まだ完全にはできないですが、楽しいと感じる部分でもあります」

試合ではなくバッティングセンターだったのかもしれない

―新規事業をつくることは、楽しい事ばかりではなくむしろ苦しい事も多いと思います。それを楽しめるようになったのは、ミライリアルCHALLENGEがきっかけでしょうか。

「新卒の時から新規事業をつくるとずっと言い続けて、当てられないままトライし続けてきたのですが、前職のころから比べると、ミライリアルCHALLENGEによるスキル面での向上は非常にあったと感じています」

―Supershipホールディングスの代表で、ミライリアルCHALLENGEも推進されている稲葉さんは「とにかく打席に立たなければいけない」とよく話されているのですが、森本さんも同じように思われますか。

「そうですね、振らなければ当たりません。ただ、何も考えずに振ればいいかというとそうでは無い、ということに気づかせてくれたのはミライリアルCHALLENGEのおかげだと思います。

惰性的に毎年プランを考えて壁打ちしただけだとたぶん成長しないんですよね。壁打ちの中で、『ここがダメだったんだな』『じゃあこういう視点はどうだろう?』と選択肢を広げていく、あるいは自分のスキルを伸ばしていくという試行錯誤が足らなかったんだろうな、というのは今までを振り返って思います。

ミライリアルCHALLENGEで一番良かったのは(経営陣との)壁打ちで、『こんなに自分は成長できていないのか』ということを実感できたことです。その上でどうすればいいのかを自発的に考えていけたのが良かったです。これが本当に『打席に立つ』ということなんでしょうね。それまでは試合じゃなくてバッティングセンターだったのかも(笑)

―そもそも新規事業をつくろうと思ったきっかけはどういったことだったのでしょうか。

「元々、大学の頃はバンドで音楽をやっていまして、よく年上の方々と一緒にライブをしたりセッションしたりしていました。その人たちは、“尖ってなんぼ”という感じで、自分の好きな音楽を自由にやっていたように私の目には映って、とてもクリエイティブで格好良かったんです。人の目を気にすることが多かった自分には眩しくて、そこから、好きなもので自分を表現するということに憧れました。

社会人になって地元を離れ、音楽からも少し距離を置く中で、どのように自らのクリエイティビティを発揮できるだろうか、と考えた時に、新規事業ってクリエイティブでかっこいいなと思ったんです。音楽とはまた話が違うので何言ってるか分からないって感じかもしれませんが(笑)、気づけば新規事業を考える時間、仕事で関わりに行く機会が自然と増えていました」

―クリエイティビティへの憧れで新規事業を考える中で、面白さややりがいを感じたエピソードはありますか。

「それで言うと、まだ自分の中で話せるいい感じのエピソードは無いですね(笑)。ビジネスに落とし込む段階でダメになったり、そもそも課題が存在しないことに気づいたり、投資家に提案して『出資してもいいよ』と言っていただいたにもかかわらず結局自信が無くてやめてしまったりとか、常に自分の中の自信の無さとの戦いです。それで毎回落ち込むのですが、それでもまた新しいことを考えていくうちに“楽しさメーター”が自分の中で上がっていくんですよね。知らなかった背景や概念、自分にとっては新しい発見との出会いがあると、楽しさメーターが爆上がりして楽しいです(笑)」

―確かに、投資家に出資してもらえると言っても、起業して事業を推進していく上で例えば自分の資産を担保にしたりと、どこか“怖さ”があると思います。その点、ミライリアルCHALLENGEは会社が資金をある程度用意してくれているわけで、敷居は低くなっていると感じますか?

「とても低いですね。そこは大きいと思います。失うものが無いじゃないですか。私は子供も生まれたばかりで、もし自分がリスキーだと思う挑戦をするのであれば、まずは家族に納得してもらえなければいけません。

一方で、ミライリアルCHALLENGEは与えられている権限と責任が大きく、その分『やるからにはしっかり責任を取りなさいよ』と言われているようにも感じます。予算もある程度ついていて、それを使うのであればどの部分にどれだけ使ってどれくらいの成果が出たのか、というのは社会人として当然報告する義務があると思います。打席には立たせるけど、振り逃げはさせないぞ、ということでしょうか」

―稲葉さんも、これまでさまざまな新規事業を立ち上げてきて、時には失敗もしてしまったものの後始末まで逃げずにやりきった経験(※)があるので、そういった思いが込められているのかもしれません。また実際にビジネスを行う時にはお客さまが居て、事業を閉じる際も責任をもって終えなければ会社に対する信頼にも影響するため、そこはしっかりと意識してほしいところですよね。

(※編注:稲葉さんのエピソードについては、以下のインタビューもご参照下さい。)

経験や学び、環境まで使い尽くしたい

―この2度のチャレンジで得たものを今後、どのように活かしていきたいですか。

今年こそ新規事業を立ち上げるぞ!というのを目標に掲げています。加えて、得られた経験や学びはもちろんのこと、与えられた環境も存分に使いたいです。『TRYOUT』ではコーチングもしていただけるということで、個人で外部に頼んだらかなりお金がかかりますし(笑)、ワークショップ形式で時間もたっぷりかけてフィードバックもいただけるなんて、それはチャレンジするに決まってるでしょ、と思います」

―次のチャレンジの構想はありますか?

「無いです(笑)!今はひたすらにヒアリングをしています。スタートアップの立ち上げ方は、海外のサービスをローカライズしてみたり、創業者がイシューに感じているものを突き詰めてプロダクトにしたり、あるいはヒアリングを重ねてニーズが多かったものをプロダクト化したりとさまざまな方法がありますが、私自身、前回(2021)は自分のペインに注目し、その前(2020)はローカライズをやってみました。次は周りの人にヒアリングしながら、得られたニーズと親和性がありそうなソリューションやプロダクトのあり方をしっかり情報収集した上でロジカルに組み立てて考えていく、という形をとってみようと動いています。

一方で、ヒアリングを進める中で自分のペインが見つかるかもしれないとも思っています。ヒアリングそのものに対する抵抗がなくなったとはいえ、スケジュール調整はかなり面倒ですし、他にいろいろと事業開発は大変だと感じます。最終的にどのような形になるかはわかりませんが、皆さんのお力をお借りできると嬉しいです!」

取材のご協力ありがとうございました!


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