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エンジニアが小学校に行ったら意外な社会的価値に気づかされた〜ICTモラルについての授業実施報告〜

お疲れさまです!2022年度、DATUM STUDIOに入社したデータエンジニア部所属の井口です。
10月11・12日に港区立御成門小学校で実施した、ICTモラル教育のプロジェクトに参加させていただきました。

私がSupershipグループのICT教育支援の取り組みを知ったきっかけは、神田さんが前回執筆した港区立港南小学校でのプログラミング講座の記事です。

このとき講師をされていた鈴木さんとランチをする機会があった際に、私もこのプロジェクトに興味があることを話したところ、その日のうちに今回の企画に参加させてもらえることになりました。グループバリューの一つに「Super Challenge」を掲げているだけあって「すぐに挑戦させてくれるいい職場だなぁ」と、改めて思います。

なんでSupershipグループがICTモラル教育をやるの?

手を挙げて参加できることになったのはいいものの、今回の授業はプログラミングではなく、ICTモラル教育です。
プログラミング講座では、専門家であるエンジニアが学校の先生の代わりにお役に立てることは容易に想像できます。
一方、ICTモラル教育においては、エンジニアが専門家であるかというと正直言ってその限りではないと思います。少なくとも私自身にはそのような認識はなかったため、不安を抱きつつも、せっかくの機会なので「そもそもなぜ、ICTモラル教育が必要なのか」を自分なりに調べてみました。

ICTモラル教育の必要性

授業では、インターネットを利用するうえで「時間のルールを決めること」と「SNSは十分に注意して使うこと」をメインに伝えるので、これらのことについて調べてみました。
調べるにあたって「青少年のインターネット利用環境実態調査(内閣府)」と「児童・生徒のインターネット利用状況調査(東京都教育庁)」の資料を参考にしました。

まず利用時間については、近年増加傾向にあります。また、年齢が上がるとともに利用時間も増えていくため、小学生のうちから利用時間の注意喚起をすることが必要だと考えられます。加えて、コロナ流行以降は外出を控え自宅で過ごす機会も増えていますので、オンラインゲームを中心としたインターネットにまつわる依存症について改めて説明することが重要です。

SNSについては小学生の利用率は低いものの、中学生、高校生と年齢が上がるにつれて利用率は上がるため、早いうちに指導することが重要です。また、「個人情報が漏れないようにする」「メールやメッセージを送る相手」「送信・投稿する内容」についてのルールを決めている家庭が20〜30%程度と低いことから、SNSの正しい利用方法を周知するためにも指導の必要があると考えられます。

授業の実施内容

今回は2日間に渡って、初日は6年生2クラス、2日目は5年生2クラスの計4回の授業を行いました。メインの講師としてSupershipホールディングス 広報Gの石川さんとSupership VPoEの名畑さんが交代で授業を行い、「インターネットを使う上での約束」というテーマで説明しました。サポート役として6年生の授業は、Supership プロダクト開発本部 平岩さん、西尾さんと私が、5年生の授業はプロダクト開発本部 西尾さん、中里見さん、細見さんが参加し、グループワークでは児童の皆さん同士で円滑に話し合いが進められるようにお手伝いをしました。

利用時間のルールを決める

授業の初めに、インターネット(オンラインゲームも含む)を使う上で決めているルールについて児童の皆さんで話し合ってもらいました。「利用時間を決めること」はその中でも最も多かったものです。ただし、利用時間を決めると言っても、1日に30分以内の人もいれば、1日に3時間までの人、平日と休日で異なる利用時間を設定している人、とルールは様々でした。
多くの児童がそのルールをしっかりと守っている印象を受けたので、むしろ私たち大人の方が利用時間を決めずにダラダラと動画を観たりゲームをしたりしているかもしれないな、と反省しました。。。

SNSは十分に注意して使う

一方、SNSの使い方については「見るのはOKだけど、コメントなど投稿・発信することは禁止」というルールを設定している児童が多く、そういった背景もあり何かを投稿・発信することに対しては、まだ自分ゴト化して考えられない印象を受けました(あくまで私が受けた印象です)。
今後、年齢が上がるにつれて投稿・発信する機会が増えるかもしれないことを踏まえて、インターネット上に公開したものは(クローズドなものも含めて)、消すことができないこと、また具体的なルールとして悪口を発信しないこと、個人情報を公開しないことなどについて説明しました。

児童の皆さんの様子

今回の授業内容は、大切なことではあるけれど正直言うと楽しいものではないので、児童の皆さんは退屈してしまうのではないかと心配していました。
しかし、そんな予想に反して授業に集中しており、グループワークにも積極的に取り組んでいました。石川さんと名畑さんの授業の進め方が上手だったということももちろんありますが、児童の皆さんが日頃利用しているインターネットについて、関心が高いことがうかがえました。

参加して気づいた、「SupershipグループがICTモラル教育を行う意義」

プログラミング講座ではなく、ICTモラル教育でエンジニアが役に立つことがあるのか疑問を抱いていた私ですが、このプロジェクトを通して役に立てることが間違いなくあると思いました。

情報セキュリティの意識が高い

普段、エンジニアとして働いている中で、情報セキュリティに対する意識を持つことは常識であり、当たり前のものだと思っていました。しかし、膨大な個人情報を扱うことも多いエンジニアにとって情報流出などに対する危機感や恐怖感のようなものは、他の職業の人とは違う何かがあるのではないかと気づきました。少なくとも学校の先生とは扱っている情報の数では桁違いなので、その管理に対する意識は高いはずです。

また、Supershipグループでは頻繁にセキュリティ研修があります(私も入社半年くらいの間ですでに3回くらい受けたと記憶しています)。このように、日常的に情報セキュリティの意識を高めているSupershipグループがインターネットの使い方について授業をすることは、有意義であると感じます。

学校外部の人が実施することが効果的

学校の先生が行うのではなく、外部の人が授業をする方が、より児童の印象的に残りやすいと先生方にうかがいました。実際、昨年も同様の授業をしたことを覚えている児童も少なくなかったです。
また、担任の先生に依存しない教育も行うことができます。久しぶりに小学校に行ったことで私が小学生の頃のことを思い出したのですが、私の担任の先生が情報教育に熱心だったため、当時(2002年頃)にしてはインターネットの実践的な使い方について運よく学校で勉強することができました(NHKの理科の番組のホームページの掲示板に、自由研究の投稿などしてました。同級生がいたずら投稿をしてこっぴどく叱られているのを見て、ネットに投稿するのは気をつけないといけないんだなーと勉強になりました)。

一方、同学年の他クラスではそのような授業は実施されていなかったように思います。このように、担任の先生によって教育差が生まれないようにするためにも、我々のような外部講師が出張授業を実施することは大きな利点だと考えられます。
外部講師はSupershipグループ以外の方でも担えますが、御成門小学校は私たちの虎ノ門オフィスから徒歩10分程度と、業務の合間に授業のために訪問できるくらいの距離なので、「近所のICT屋さん」というような身近な感覚でお役に立てたかなと思います。

以上が今回のレポートになります。

個人的な感想として、自分の職業を通して得られたスキルや知識が、社会の中で相対的にどのような価値があるのかを考え直すいいきっかけになりました。
また、いつもデスクワークでディスプレイと睨めっこしている生活なので、小学校に行って授業に参加するのはとても楽しかったです!
Supershipグループでは今後もICT教育支援活動を続けていきますので引き続きご注目ください!

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